お役立ちコラム

一戸建ての光熱費は平均いくら?
差が出るポイントや節約方法を解説

一戸建ての光熱費が気になって、マイホームの購入に踏み切れない方も少なからずいらっしゃるかも知れません。新しい住宅で家族が増えると、光熱費がさらに上がるのではないかと不安に思うことも少なくありません。

本記事では、実際の調査結果をもとに一戸建ての光熱費や、光熱費に差が出るポイント、節約方法も紹介します。光熱費の心配を解消し、快適に暮らせる家づくりのヒントを見つけましょう。

【1】一戸建て・集合住宅の光熱費の平均

そもそも、光熱費は各世帯でいくら程度が平均なのでしょうか。以下で世帯人数別の一戸建て・集合住宅の光熱費を解説します。なお、この記事での「光熱費」は、電気代・ガス代・その他の光熱費に上下水道料を合わせたものを意味します。

1-1.世帯人数別の光熱費の平均

総務省統計局が2023年に調査した家計調査の家計収支編をもとに、1世帯あたりで発生する1ヶ月分の光熱費の平均金額について以下にまとめました。

項目 平均金額
光熱・水道(光熱費) 19,867円
【内訳】電気代 10,222円
    ガス代 4,527円
    他の光熱 1,070円
    上下水道料 4,048円

1世帯あたりの1ヶ月分の光熱費は、約2万円となりました。なかでも電気代が光熱費全体の約半分を占めています。

※参考:家計調査 家計収支編 総世帯 詳細結果表 年次 2023年 | ファイル | 統計データを探す | 政府統計の総合窓口

3人家族の場合

同調査結果にもとづき、3人家族の世帯で発生する、1ヶ月分の光熱費の平均金額について以下にまとめました。

項目 平均金額
光熱・水道 25,082円
【内訳】電気代 12,811円
    ガス代 5,591円
    他の光熱 1,314円
    上下水道料 5,366円

3人家族の1ヶ月分の光熱費は約2万5,000円となり、全世帯平均の光熱費を上回りました。電気代・ガス代・他の光熱・上下水道料の全ての項目において、3人家族の平均金額は全世帯平均よりも高めです。

4人家族の場合

4人家族の世帯で発生する、1ヶ月分の光熱費の平均金額について以下にまとめました。

項目 平均金額
光熱・水道 25,655円
【内訳】電気代 13,532円
    ガス代 5,284円
    他の光熱 797円
    上下水道料 6,042円

4人家族の場合、光熱費は3人家族の平均金額をわずかに上回りました。

5人家族の場合

5人家族の世帯で発生する、1ヶ月分の光熱費の平均金額について以下にまとめました。

項目 平均金額
光熱・水道 27,100円
【内訳】電気代 14,373円
    ガス代 5,131円
    他の光熱 889円
    上下水道料 6,706円

3人家族、4人家族、5人家族のデータを比較すると、家族の人数が増えるほど電気代と上下水道料が高くなる傾向にあります。

1-2.集合住宅との光熱費の違い

日本生活協同組合連合会が2019年に実施した調査によると、住居形態によって月あたりの電気代に差があることがわかりました。

一戸建ての場合、月あたりの電気代は平均8,546円なのに対し、集合住宅では平均6,477円と、約2,000円もの開きがあります。一戸建てのほうが集合住宅よりも電気代が高い傾向にあるといえるでしょう。

※参考:電気・ガス料金調査|日本生活協同組合連合会

【2】集合住宅より一戸建てのほうが光熱費が高くなる理由

集合住宅と比べて一戸建ての光熱費が高くなる理由として、以下の3つの違いにより電気代が高くなることが挙げられます。

  • 家の広さやフロア数の違い
  • 契約アンペア数の違い
  • 気密性・断熱性の違い

専有面積が広い一戸建ては冷暖房効率が下がりやすいうえに、部屋数が多い分、冷暖房や照明器具の設置数が多くなりがちです。また、電気使用量に合わせて高めのアンペア数を契約すると、基本料金の引き上げにつながります。

さらに、ほかの住戸に囲まれている集合住宅よりも、周囲が外気にさらされる一戸建ては、気密性や断熱性が低くなる傾向です。外気温の影響を受けやすいと、冷暖房効率が悪くなり電気代が高くなります。

【3】光熱費に差が出るポイント

一戸建てと集合住宅の光熱費の差については、前述のとおりです。ただし、住居形態が同じでも、家庭ごとに光熱費は大きく変わる場合があります。以下では、光熱費に差が生じるポイントを解説します。

3-1.気密性・断熱性

前述のように、建物の気密性と断熱性の高さは光熱費に大きな影響を与えます。光熱費を抑えるには、高気密・高断熱な家づくりが効果的です。一戸建ての場合は高性能な断熱材や、窓の断熱性能が高いペアガラスやサッシを使用すると、光熱費の削減が期待できるでしょう。

初期コストは高くなる可能性がありますが、長期的な視点で見れば、高性能な材料を選んで家づくりをするメリットは大きいといえます。

3-2.設備

光熱費を気にするなら、まずは現在使用している家電の見直しをしてみましょう。古い家電は省エネ性能が低い場合があるため、家づくりを機に新しい家電に買い替えると光熱費の削減につながります。

また、太陽光発電システムや蓄電池、エコキュートなどの省エネ設備を導入すると、エネルギーを効率良く使えるようになり、光熱費をさらに削減できるでしょう。

3-3.使い方

部屋ごとにエアコンやテレビを使用したり、お風呂の追い焚きを繰り返したりすると、光熱費が上がりやすくなります。特に家族が多いほど、個々の使用量が積み重なり、光熱費が高くなる傾向が見られます。

光熱費の節約のためには、家族全員で節約の意識を持つことが大切です。お風呂の残り湯を洗濯に使ったり、電気の消し忘れに注意したりして、継続できる節約方法に取り組みましょう。

3-4.契約プラン・基本料金

光熱費の基本料金は、電気やガスの契約会社やプランに大きく影響を受けます。節約に向けて、基本料金が安いプランや会社を探しましょう。

光熱費が安くなるプランは、それぞれの家庭の生活スタイルによって異なります。日中に家を空けがちな場合は、夜間の電気料金が割安なプランを選ぶと良いでしょう。また、電気とガスがセットになったプランも、契約内容によっては光熱費を抑えられる可能性があります。

【4】一戸建ての光熱費を安く抑える方法

繰り返しになりますが、一戸建ての光熱費は集合住宅よりも高くなりがちです。光熱費を少しでも安く抑える方法を以下で紹介するので、家計の負担を抑えるために検討してみましょう。

4-1.電気・ガスの使用量を減らす

光熱費の節約には、日頃の電気・ガスの使用量を減らすことが効果的です。光熱費の節約は、毎日の小さな積み重ねが大きな効果を生み出します。テレビや電気の消し忘れを防ぐ、冷暖房の設定温度を適切に管理するなど、日常生活で節約の意識を持つことが大切です。

また、照明をLEDに替えると発光効率が向上するため、特に暮らし方を変えなくても電気代を抑えられます。

電気やガスの使用量を減らすことは、環境に配慮できるというメリットもあります。光熱費の節約は、家計にも地球にもやさしい取り組みといえるでしょう。

4-2.プランやガス会社・電力会社を切り替える

電力自由化により、多数の企業が価格競争を行っています。現在の料金プランと他社のプランを比較してみると、よりお得な選択肢が見つかるかもしれません。

ただし、電力会社やガス会社を乗り換える際は、契約条件や違約金などを事前に確認しておきましょう。事前調査が不十分だと、期待していた節電効果が得られなかったり、思わぬ違約金を請求されたりする可能性があります。多種多様なプランがありますが、事前の情報収集と比較検討が大切です。

4-3.高気密・高断熱な家にする

光熱費を効果的に抑えるには、高気密・高断熱の家づくりをしましょう。高気密・高断熱の一戸建てに住むと冷暖房効率が向上し、季節を問わず快適に暮らしやすくなります。

初期コストは高くなる傾向がありますが、長期的な視点で考えると、トータルコストはお得になるでしょう。また、後述する省エネ住宅は、補助金制度が使える場合もあります。補助金により初期コストの負担を軽減しつつ、高気密・高断熱な家づくりを検討しましょう。

【5】一戸建ての光熱費を大幅に抑える省エネ住宅について

省エネ住宅は一定の性能基準を満たすことで、エネルギー消費量を低く抑えるよう配慮された住宅です。快適かつ健康的な住環境を提供するために設計された省エネ住宅に住むと、光熱費を大幅に削減できる可能性があります。

ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)、LCCM住宅(ライフサイクルカーボンマイナス住宅)、長期優良住宅などが代表的な省エネ住宅です。

省エネ住宅は一般的な戸建て住宅とは異なり、建築費が高額になる傾向が見られます。ただし、省エネ住宅は国が推進する政策の一つであり、さまざまな補助金制度が整備されています。補助金により初期費用を抑えつつ、長期的な視点で光熱費の節約に取り組むと良いでしょう。

【6】一戸建てでも光熱費を抑えて快適な省エネ住宅を実現しよう

一戸建ての光熱費は、集合住宅に比べて高くなる傾向です。ただし、省エネ意識を持つ、電気・ガスの契約プランを見直す、省エネ家電に買い替えるなどの行動が光熱費の節約につながります。加えて高気密・高断熱な省エネ住宅に住むと、さらに大きな節約効果を得られるでしょう。

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